今回の「お墓オンライン」は「仏壇が必要な理由」について解説します。
昨今、仏壇は「再度」注目を浴びつつあります。
仏間のない住宅が増える反面、なぜ、仏壇は関心を寄せているのでしょうか。
早速その理由に迫っていきましょう。
仏壇とは
お寺の本堂には、華やかな装飾とともに、本尊(仏像)が祀られています。
端的にいうと、これが仏壇の世界観。
お寺と仏壇は同じ世界観なのです。

仏壇の中も、同じように華やかさがあり、そして仏様が最上段に安置されています。
仏壇とは「お寺そのもの」で、仏壇はまさに「お寺の縮小版」なのです。

この華やかな本堂や仏壇は「極楽浄土」の世界観を表しています。
仏教が追い求める、理想の世界そのものです。
その極楽浄土で、仏様に見守られながら、故人の位牌をも祀れるのが仏壇。
つまり、意味合いとしては、お寺に位牌を祀っていることと同じなのです。
仏壇が必要な理由
とはいえ、仏壇はどれほどの必要性があるのか、若干モヤモヤとする点は残ります。
その理由は、葬儀や法要と違って、仏壇には仏事としての明確な定めがないからだと思われます。
「あったほうがいい」とか「無くても問題ない」などと曖昧に言われることが多く、また、それ自体間違いではないからです。
仏壇の役割
例えば、仏壇の前で正座をしたときを想像して見てください。
その時は、誰に言われるまでもなく、自然と背筋が伸びるはずです。
そして、日常の私利私欲などとは無縁の心境になると思います。
仏壇の前では、将来の不安や、過去の過ちなども素直に吐き出せますし、感謝や不安、懺悔など、得も言われぬ心境が錯綜する時間が流れます。
そのような形で、日常の中に、非日常を入れて心を浄化してくれるのが仏壇の役割です。
仏様の傍らに故人の位牌を祀り、毎日供養し、語りかけることによって、自らの生き方をも麗してくれる役割があるのが仏壇なのです。
仏壇は亡き人を偲ぶ対象
大切な人が亡くなった後、その悲しみが癒えるまでは5年ほどかかると言われています。
仏壇があることで、故人を供養する対象が明確になることも、仏壇を備える最大の理由と言えます。
哀しみが続く中、愛すべき人の精神が宿る仏壇や位牌に向かって心の対話を重ねることで、気持ちを一歩一歩、癒やしていくことができるのです。

もちろん、お墓でも同じようなことはできますが、同じ屋根の下にある仏壇の役割とは比較する次元が違います。
仏壇は再注目されている
令和の時代、仏壇をクローズアップするメディアが不思議と増えています。
確かに、仏間のない新築の家も多くなり、一時は仏壇の存在が下火だったのは事実です。
ですが、そのような仏壇のない世代を経たからこそ、それが人々に与えてきた意義がかえって明確に分かるようになった、というのがメディアのとらえ方です。
故人やご先祖様に対峙し、毎日礼拝する生活は、日本人の精神面を清らかに保ってくれる役割を果たしてきていたのです。
また、仏壇に馴染んできた祖父や祖母がそうであったように、他者に優しい心を育むとして、子供たちの情操教育のために仏壇を購入する家庭も再び増えてきました。
仏壇と永代供養
さらに、昨今は様々な事情から、樹木葬や納骨堂に眠るという永代供養を選択する流れが止まりません。
その理由は、墓守の問題、費用の問題、宗派の問題など、お墓にまつわる多くの高いハードルが、一気に解決できる選択肢だからです。
そんな声を反映して檀家離れが進み、安価で維持費がなく、管理負担もない樹木葬や納骨堂は選ばれています。
ところが、その現代的メリットと引き換えに、樹木葬や納骨堂には、故人を象徴する墓碑はありません。
亡くなった人に、手を合わせて語りかけられる対象がないのです。
だからこそ、より安価で身近な仏壇を備えて、大事な人を供養する気持ちを形にできる仏壇が、再び注目を浴びている理由にもなっているのです。
仏壇は必要か
仏壇は、その置き場所に厳密なルールはありませんし、数百万円かかるお墓と比べれば、仏壇は高くても数十万円、安ければ数万円で仏具の全てが揃います。
ここまでこの記事を読まれた方は、仏壇を備える意義に、ほんの少しアンテナが反応したのではないでしょうか。
仏壇が必要か否か、そう思い悩んでいる人は、この「お墓オンライン」で紹介する仏壇の買い方や予算、注意点などをじっくりと吟味してみてください。